こんにちは。

東京都三鷹市ハートフル歯科の本山です。

今回は、以前書かせていただいた
症例検討会について、新年明けまして
先日第8回が行われましたので、
そのことについて書きたいと思います。

第8回症例検討会は
「根管貼薬」について、
小坂井先生からのプレゼンテーションと
なりました。

   

   

小坂井先生も入社して、
4月で1年になりますが、
日々努力を怠らず、
患者さんと真摯に向き合い、
毎日一生懸命診療を行ってくれています。

小坂井先生、いつもありがとうございます!

それでは、小坂井先生よろしくお願いします。

   

こんにちは。

東京都三鷹市ハートフル歯科 
歯科医師の小坂井です。

今回は、「根管貼薬」について
発表させていただきました。

根管貼薬とは、
根管治療において機械的拡大や
化学的洗浄のあとに入れる薬です。

根管治療を終えるまで
持続的な殺菌能力や
鎮静作用を求めて使うことが
多いものです。

日本ではFCやぺリオドンという薬が
よく使用されていました。

   

歯科医院での嫌な匂いの原因の一つです。

これらはパラホルムアルデヒド製剤といいます。

実はこの薬はAAE(米国歯内療法学会)では
完全否定されています。

なぜなら、抗菌の効果は高いのですが、
細胞毒性が強すぎたり、
作用時間が短く、発がん性もみられるといった
デメリットが多すぎたからです。

それでは、AAEなどで推奨されている
薬は何か?

それは、ハートフル歯科でも使われている
水酸化カルシウムCa(OH)です。

   

この薬は、Ph12.4の強アルカリ性で
抗菌性を示し、生体刺激性が少なく、
長期に安定しており、
あの嫌な匂いもありません。

そして、鎮痛効果もあります。
さらに出血や排膿のある根管には
特に有効で浸出液を
次回の根管治療まで抑えてくれます。

注意点としては、
FCなどは綿にしみこませて
根管に入れれば揮発して
効果を発揮するので
簡便なのですが、
Ca(OH)は直接根管に触れないと
良好な効果を発揮しない点が
挙げられます。

そのため、よりしっかり根管に
薬を充填しないとならないのです。

ハートフル歯科には
マイクロスコープがあるので
確実に薬を過不足なく根管に
充填することができます。

これまで述べた通り
水酸化カルシウムは非常に
良い薬と言えます。

ただし万能ではありません。

強アルカリに抵抗性を持った菌は
殺せません。

また直接根管内に触れてないと
効果を発揮しきらないので
機械的拡大や化学的洗浄を
しっかり行わないと
全く貼薬の意味をなさなくなって
しまいます。

やはり、根管治療の根幹は
機械的な拡大を
徹底しなければならないと思いました。

今回の発表でより強く思ったことは
素晴らしい薬などがあっても
どうやって効果を発揮するのか・・・

使用する人間の知識の有無で
治療の質が全く異なるものに
なってしまうということです。

ハートフル歯科では、
質の高い治療を
患者様に提供するために
常に医院内において
症例検討会などで
知識の最適化、共有化を
行っています。

これからも勉強し続けたいと
改めて思いました。

   

小坂井先生、ありがとうございました。

「根管貼薬」の重要性について、
より一層理解が深まりました。

それにしても、FCのデメリットが
多すぎますよね(笑)

しかし、日本ではFCを使用している
現状がいまだにあります。

私は、個人的にはあの薬臭が
どうしても好きになれません・・・

ハートフル歯科では、
現在は根管貼薬には水酸化カルシウムを
使用していますが、昔は無貼薬でした(笑)

今では、水酸化カルシウムによる
根管貼薬は必須となっております。

大事なことは、
薬の使用の仕方なのです。

FCも国で認められている薬なので、
使用していけないものではないのです。

なぜ、その薬を使用するのか・・・
よく考える必要があると言えます。

我々、歯科医師は患者さんにとって
安心安全であり、かつ効果の高いものを
選択するべきであると思います。

“すべては患者様の笑顔のために”

今後ともよろしくお願い致します。

医療法人社団徹心会ハートフル歯科