本山先生エンドマスターへの道

2016.11.24更新

こんにちは。
三鷹市 ハートフル歯科医院、ハートフルデンタルクリニック、三鷹ハートフル小児歯科歯科医院、
三鷹ハートフル矯正歯科医院を含む、
ハートフル総合歯科医院グループ 
歯科医師 本山です。

 

今回は、「マイクロクラック」について書きたいと思います。

クラックというのは、“ひび”のことです。

過去にも何度か書いているかと思います。

先日、下記にあるような患者さんが

来院されました。

症状だけで判断すると、抜髄(神経をとる)と

考えてしまいそうですが、口腔内を観察すると

銀歯の不適とその周辺にクラックが認められます。

これはもしかしたらクラックが神経まで

達していなければ神経を温存できる

かもしれないと考えました。

 

それでは症例をご覧下さい!

 

 <症例⑫>

57才 女性

主訴:左下第一大臼歯、咬むと痛い。

   ズキズキする。

術前① 

初診時です。

銀歯が 入っていますが、赤い丸印をご覧下さい。

銀歯と歯質部分に不適が見られます。

また、マイクロスコープ下にて矢印部分にマイクロクラックが確認できます。

 

インレー除去

銀歯を除去してみると、むし歯があるのが

分かります。

 

1234

むし歯を除去していくと、横方向にクラックが

確認できます。

咬合力により、このようなマイクロクラックが

起こると、そこから細菌感染し痛みを伴う症状が

出ることがあります。

その場合、ケースによっては歯髄炎を起こし

激しい痛みを引き起こすことがあります。

ちなみにこの患者さんは全体的に咬耗が

みられるような口腔内状態でした・・・

ただし、クラックの診断は非常に難しく、

歯髄炎のような症状を起こすことがあります。

そのため、今回はクラックが

どこまで進んでいるかの診断と

クラック部分におけるむし歯を除去し、

一度裏層材にて補強し

経過観察を行うことにしました。

症状によって、処置内容の決定を行います。

痛みが落ちついているようであれば、

頬側部分の咬頭を被覆した

セラミックを被せていく予定です。

 

カリエス

クラック部分のむし歯を除去したところです。

 

でんてぃん 

裏層材にて補強を行ったところです。

この状態にて経過観察を行っていきます。

 

keisigo

経過観察後、痛みもなくなりました。

セラミックの1 DAY トリートメントを

行なっていきます! 

形成後です。

頬側の破折部分も被覆するような

形態にしております。

 

j1

セラミックの被せ物をセットした状態です。

咬合面観です。

 

j2

頬側面観です。

経過良好です。

継続して経過観察を行なっていきます。

 

どのような治療においても、

まず診査・診断から始まります。

「痛い⇒神経をとる」

「痛い⇒歯を抜く」

このような話をよく聞きます・・・

正確な診断は、歯を残すことにもつながります!

天然歯に勝るものはありません。

ハートフル歯科では、診査・診断を

重視しております。

 

“すべては患者様の笑顔のために”

今後ともよろしくお願い致します。

 

 

投稿者: 本山 直樹

2016.11.23更新

こんにちは。
三鷹市 ハートフル歯科医院、ハートフルデンタルクリニック、三鷹ハートフル小児歯科歯科医院、
三鷹ハートフル矯正歯科医院を含む、
ハートフル総合歯科医院グループ 
歯科医師 本山です。

 

“第2回米国歯内療法専門医 日本協会セミナー”

参加してきました。

米国歯内療法専門医セミナー

このセミナーは石井先生をはじめとする

5人の米国歯内療法専門医の先生方が

最新のトピックスを含めて各々御講演して

いただきました。

 

今回はその中から一つのトピックスについて

書きたいと思います。

「リバスクライゼーション」です。

田中浩祐先生が“歯内療法領域の再生療法”と題して

御講演して下さいました。

再生療法と言えば、山中伸弥教授の

iPS細胞が有名ですが、

リバスクライゼーション?、

何だか耳慣れないこの言葉…

しか〜し、最近話題のトピックスなのです。

リバスクライゼーションは、

歯根未完成歯における歯髄の治癒のパターンの

1つです。

パルプ・リバスクライゼーション

(pulp revascularization)は、

いったん死んだ歯髄組織

(=虚血性変化に陥った歯髄組織)に

根尖孔から毛細血管が増殖(再生)し、

それにともない歯髄組織由来の

細胞が再生着(repopulation)するような

治癒のメカニズムを指します。

新生した組織は電気歯髄診断に正の応答を示すが、

やがて急激な石灰化を起こし歯髄腔が閉塞するのが

最終的な治癒像と言われています。

 

一般的には我々の身体にどこか傷ができて

血が出るとそこに血餅ができてかさぶたになり

治癒していきます。

出血は治癒するために必要なものであり、

悪いものではないと通常は考えます。

しかし、根管治療の場合は根管内から

出血してきたりすると

我々は焦ってしまうものです。

とかく、根管治療においては“出血”は嫌われる

傾向にあります。

一般的な創傷治癒においては出血は非常に大切な

プロセスであるにも関わらずです。

そこで、根管治療においても

根尖孔外で意図的に出血を起こし

根管内へ血餅を誘導し、その上にガッタパーチャで

根管充填を行い病理組織切片をつくり、

血餅があったところがどのような治癒を

していたかを確認してみました。

それによると、そこには線維性組織や

セメント質用組織ができていたそうです。

このことより、出血を起こし根管内へ血餅を

誘導することに害はないのではないかという論文が

50年以上も前に問いかけとして

発表されていたそうです。

 

ここから、さらに再生療法について

聞いてきたことを書いていきます。

再生療法は大きく分けて二つに分かれます。

細胞依存性細胞非依存性です。

前者は外来性の未分化幹細胞を根管系へ移植し

組織再生を促すもの、

後者は内在性の細胞を根管系へ誘導して

組織再生をおこさせるものと言えます。

幹細胞(Stem Cell)が働けるだけの

scaffold(足場)があり、そこに貼り付いて

分化したり増殖できるような場所が

揃っていた時にtissue engineering(再生医学)が

可能になるわけです。

このことを歯に置き換えていきます。

口腔領域において発見されているいくつかの

Stem Cellがあります。

どれに変化するかというのもそれぞれ

異なっています。

これらをエンドではどのように

行なうかという話をする前に

“根未完成歯”について

ふれたいと思います。

konmikansei

根未完成歯の治療法においては、

アペキシフィケーションアペキソゲネーシス

あります。

根未完成歯は、例えるならば底が抜けたバケツの

ようなものです。

では、根が未完成なのでそのままでは

根充できないのか?

当然そこに根充材を入れてしまうと、

歯周組織へと漏れてしまいます。

そのような状態に対応するのが、

アペキソゲネーシスと

アペキシフィケーションです。

アペキシフィケーションとは、根未完成歯において

失活(神経が壊死して死ぬこと)して

region(病変)があり、その場合に根尖を何とかして

閉鎖したい時に用いる治療法です。

アペキソゲネーシスとは、例えば虫歯があり

それが神経に非常に近く、場合によっては

抜髄になるかもしれないケースであるとします。

しかし、根尖が開いており抜髄すると根が

今後成長していくにあたり

いづれ根管壁が厚くなり、

歯髄腔がもう少し細くなり本来であれば

根の成長が行われるところに抜髄してしまうと

その成長は止まってしまいます。

その場合に何とかして歯髄を残して

成長を促したい時に用いるのが

アペキソゲネーシスです。

 

<まとめ>

-アペキシフィケーションと

  アペキソゲネーシスの違い-

アペキシフィケーションは、無髄の根未完成歯に

適用されます。

神経は壊疽や壊死を起こしています。

そのため、ラッパ上に開いた根尖は

セメント質によって閉鎖されることは

ないと言えます。

そこで水酸化カルシウム製剤などを利用して、

骨様象牙質や骨様セメント質により

根尖を閉鎖します。

これは骨に限りなく近い組織と言えます。

一方アペキソゲネーシスは、生活歯髄が残っている場合に適用されます。

その際、ラッパ状に開いている根尖を

生物学的に閉鎖させます。

これは生活歯髄の中に、象牙芽細胞が

存在しているため可能となります。

天然の歯に限りなく近い組織で、

根尖を完成させるということになります。

ちなみに、どちらの処置法においても

根尖が閉鎖された時点で、改めて抜髄および

根管充填を行うことが推奨されています。

つまり、アペキソゲネーシスでは最後まで

歯髄を残すことが目的ではないと言えます。 

根尖をできるだけ自然に近い状態に

持っていくために、行っているわけです。

 

どちらも使用する材料は、水酸化カルシウムを

用います。

最近ではMTAを使用するようにもなりました。

ただし、アペキシフィケーションも利点もあれば

欠点もあります。

根管内の無菌化を図るべく入れる

水酸化カルシウムにより、長期間の経過観察のもと

根尖の閉鎖が行われ、regionの縮小も

認められていきます。

しかし、根尖部の閉鎖は行われましたが

根管壁の厚みは一貫して変わらないのです。

つまり、薄いままというわけです…

最終的には破折のリスクが高まるのです。

これが一番の欠点であり、

またアペキシフィケーションは

デンティンブリッジができるのに

最低1年はかかりますから、

治療期間は長いとも言えます。

水酸化カルシウムの強アルカリによる殺菌力を

期待する反面、長期間になると象牙質の歯質を

弱くしてしまうという欠点があり、

それに加えて薄い根管壁のまま推移していくため

歯頚部付近における破折が起こるわけなのです。

これを克服しようとして

用いられるようになったのがMTAなのです。

MTAの場合は水酸化カルシウムのように

複数回交換する必要がありません。

しかし、これで問題解決とはいかないのです。

回数は少なくなり、治療の期間は短いという欠点は

克服されたのですが、

根管壁の厚みだけは変わらないままとなります。

外力が働いた時の破折のリスクだけは

残る形になってしまいました…

どうにかしてこの薄いままである根管壁を

厚くできないだろうか、

また根未完成であれば歯根長が長くならないか、

長くなるように誘導できないかと臨床家や

研究者たちは考えました。

 

2001年に我が国からリバスクライゼーションの

最初ケースレポートが出ました。

臨床所見として13才の女の子、

右下第一小臼歯の根尖付近の歯肉に

sinus tractが認められました。

レントゲン写真においては根尖部透過像、

また中心結節の破折ありということでした。

そして、歯には生活反応が認められず、

その結果根尖性歯周炎という診断に

なったとのことでした。

麻酔を行わずに髄室開拡をしたところ、

わずかに痛みを訴えとのことで

著者はもしかしたらこの根管系の中に

regionはできているが、

これだけ根尖が広くあいているので生活歯髄、

生きている組織があるのではないかと考え、

通常どおりファイルなどの器具で

根管を触ると生きている組織を

傷つけるのではないかと判断し、

機械的な作業を上部だけに行い、

完全な機械的拡大を行わなかったそうです。

髄室開拡時に排膿を認め、

それを開放処置にして2回目の来院時に

sinus tractの消失を確認したそうです。

2〜5回目には根管洗浄を行い、

洗浄後根管貼薬剤としてメトロニダゾールと

シプロフロキサシンの抗菌薬を混ぜたものを

使用したそうです。

なぜ、抗菌薬を使用したかと言うと

水酸化カルシウムの長期使用による

歯質の脆弱化の欠点があったため、

また抗菌薬による無菌化が認められた

データが過去にあったこともあり

選択したわけです。

5回目には根管内に軟組織が下から

出来上がってきているのが

確認されたそうです。そして、そこにブローチを

おいたところ痛覚を訴えため、

新しくできた組織には感覚があるということが

分かりました。

壊死したものではないという確認が

とれたというわけです。

6回目にはビタペックス、グラスアイオノマー、

レジンにより封鎖しその5ヶ月後には

レントゲン写真よりデンティンブリッジが

形成されているのが確認できたそうです。

30ヶ月後には封鎖したものを外して

リエントリーし、デンティンブリッジに

電気的歯髄診を行ったところ、

生活反応が確認できたという

ケースレポートでした。

このケースにおいては、根管壁の厚みと

しっかりとした根管長が

認められたとのことでした。

このケースレポートから3年後に

2例目のレポートが出されました。

1例目と違うところは、根管内に探針を入れて

意図的に出血を起こさせ、

50年前の論文を背景にtissue engineeringを

持ち込んだところにあります。

血餅を使い、足場にしたというわけです!

CEJよりも3mm下で出血が止まったことを

確認してこれが血餅になるまで

何分か待ち、その上にMTAをおきます。

この後、予後を経過観察していき

最終的には2年後には

生活反応があるところまで

確認できたとのことでした。

 

最後にAAE(米国歯内療法学会)の再生療法を

行う上での推奨事項について

ふれて終わりたいと思います。

1.若い患者であること

2.壊死歯髄であり、根未完成歯であること

3.機械的拡大は行わないか、

 もしくは行ったとしても

 必要最低限にとどめること

4.血餅をつくること

 あるいはたんぱくの足場になるようなものを

 根管内に入れること

5.緻密な封鎖を得られるもので封鎖を行うこと

 

リバスクライゼ―ションを行う上で指標となる

キーワードは“歯根未完成歯”となります。

それでは一体どの程度の歯根未完成具合であれば

処置を行えば良いのか?

その根拠となる論文において、

脱臼した歯を再度再植してリバイタルゼ―ションが

起こった歯と起こらなかった歯の

歯根の未完成具合、根尖の開き具合が

何mmかというのを調べた結果、

1.1mm以上必要という結果が出たそうです。

また、機械的拡大を最低限にするというのは、

根管内は壊死していますから細菌がいます。

細菌がいる場合は再生は起こりません。

無菌化が達成されていないと、

再生は起こらないのです。

機械的拡大を行わないで無菌化を図るためには

洗浄が必要となります。

1.5%の次亜塩素酸ナトリウムと

17%のEDTAの併用が一番良いという

結果が出ているそうです。

封鎖はMTAがベストです!

リバスクライゼ―ションを行った歯は、

歯根幅径が25~30%、歯根長も15%ほど

成長したという報告もあるそうです。

最近の報告ですと、ペンシルバニア大学の

outcome studyにおいて、

complete healingは75%、

incomplete healingは14%

それらを合わせると約90%近く成功しているという

報告があります。

しかし、リバスクライゼ―ションのstudyは

まだ数が少ないため問題があります。

長期予後を評価するランダム化臨床試験が

ほとんどありません。

そして、標準化された治療法の確立はなく、

最終的な結論には至っていないという

ことなのです。

それがないと、術者によって違いがでるため

予後の正確な評価ができないということに

なります。

それでも今後、期待される治療法の一つであり、

再生療法と言いますと最新の器具を使用してという

こともありますが、この治療法は血餅を意図的に

つくるといったものであり、決してハードルは

高くないと言えます。

 

再生療法においてはその発展はめざましく、

歯内療法領域ですでに応用が試みられていること、

今後の展望などについて今回のセミナーで

教えていただくことができました。

 

長文にて失礼致しました。

 

“すべては患者様の笑顔のために”

今後ともよろしくお願い致します。

投稿者: 本山 直樹

2016.11.18更新

こんにちは。
三鷹市 ハートフル歯科医院、ハートフルデンタルクリニック、三鷹ハートフル小児歯科歯科医院、
三鷹ハートフル矯正歯科医院を含む、
ハートフル総合歯科医院グループ 
歯科医師 本山です。 

 

今回は、「歯根破折」について書きたいと

思います。

 

歯根破折とは垂直的もしくは水平的に

歯が割れている状態です。

原則、歯の保存は不可能な状態です。

しかし、破折しているかどうかは

視認によってしか確認できませんが、

その状態が最初にマイクロスコープによって

根管内に確認できる場合と

外科的処置によって確認できる場合があります。

 

今回の症例は後者になります。

 

 <症例⑪>

75才  女性

主訴:右上第一小臼歯に違和感がある。

 panorama

 初診時のレントゲン写真です。

 右上奥歯にはブリッジが入っています。

 このようなケースは“歯根破折”も視野に入れて

 治療を行なっていきます。

 破折を確認した場合、状態にもよりますが

 保存困難な可能性があります。

 

 kontityu 

 根管治療中です。

 根尖付近にあったsinus tract(瘻孔)も

 過去に充填されてあった充填材を除去し、

 清掃・消毒を行っていくと

 消失していきました。

 しかし、違和感はなかなか消えませんでした・・・

 

 micro

 根管内をマイクロスコープにて確認。

 内部には破折を疑うような破折線は

 ありませんでした。

 根管内の清掃状態もマイクロスコープ下にて

 確認後、根管充填を行うことにしました。

 

 konjyu

 根管充填後です。

 側枝まで根管充填できています。

 しかし、数日後根管充填後消えていた

 sinus tractが再び現れました・・・

 

 hasetu

 患者様の同意の元、外科的根管治療

 行うことにしました。

 歯肉を切開し剥離すると、はっきりと破折線が

 見えてきました。

 原因はやはり“歯根破折”でした。

 ブリッジによる過重負担が長い年月とともに破折を

 引き起こしたのではないかと推測しました。

 

 今回のケースは根管内には破折を

 確認できませんでしたが、

 根管外には破折が認められ、それによって

 予後不良な状態を起こしていたケースでした。

 この患者様の場合は歯根端切除術を行い、

 破折線付近を清掃し、MTAにて外側からも

 封鎖しました。

 現在、経過観察中です・・・

 

 神経をとった歯は神経がある歯と比べると、

 脆弱であると言われています。

 このような状態の歯にはブリッジではなく、

 欠損部には隣接歯に負担のかからない

 インプラント治療を行い、根管治療後の歯は

 単独の被せ物が最適ではないかと

 私は根管治療を行いながら

 いつも患者様にお話しています。

 

 “すべては患者様の笑顔のために”

 今後ともよろしくお願い致します。 

投稿者: 本山 直樹

2016.09.12更新

こんにちは。
三鷹市 ハートフル歯科医院、ハートフルデンタルクリニック、三鷹ハートフル小児歯科歯科医院、
三鷹ハートフル矯正歯科医院を含む、
ハートフル総合歯科医院グループ 
歯科医師 本山です。


先日、土曜日の診療をお休みさせていただいて、

Penn Endodontic Global Symposium in Japan 2016

-インプラント時代の歯内療法-

                                       に参加してきました。


理事長・ミナ先生、メンバーの皆様、

ありがとうございます。

 

Pe1


このシンポジウムは世界10ヶ国以上、

日本でも2012年に東京で開催されており、

私は今回初参加させていただきました。
ペンエンドグローバルシンポジウムの

特筆すべきところは、演者が全員

ペンシルバニア大学の先生方なのです。

ペンシルバニア大学は世界の歯内療法(根管治療)を

牽引していると言っても過言ではない

非常に優秀な大学であると言われております。

そのペンシルバニア大学の先生方の質の高い2日間

に渡る講演を聴講することができるということで

ワクワクしながら受講してきました\(^o^)/

 Pe3

 

 Pe2

 

今回、12名の演者の先生方による

発表がありました。

全ての講演が素晴らしく、

どれも心惹かれるものばかりでしたが、

その中でも特に私が気になった2名の先生の講演に

ついて書かせていただきたいと思います。

 

(1)Gilberto Debelian先生

「歯内療法領域で三次元的な根管形成を

   実現するための伸縮性のある

   ニッケルチタニウム性のファイルの応用」

 

根管系の仕組みは非常に複雑であると

言われております。

 

Pe6

 

マイクロCTを用いた根管形成の研究によると、

従来の円状のファイルを用いた根管形成後では

根管壁の45~55%ほどしかファイルが触れて

いないことが分かっているそうです。

つまり、到達できていない根管壁が存在し、

当然その部分の清掃は不十分であるということに

なります。

そのことを補うために根管洗浄

(次亜塩素酸ナトリウム+EDTA)、

超音波やレーザーを用いた方法などが

行われています。

しかし、それらを解決するための画期的なファイルが登場します!

 

 “XP-endo ファイル”

 

Pe8

 

XP-endo ファイルは、温度に依存した形状記憶を有するニッケルチタニウム合金(Mワイヤー)の

原理を有しています。

低温(根管外)ではマルテンサイト相(Mフェーズ)状態となりストレートですが、

体温(根管内)にさらされるとオーステナイト相

(Aフェーズ)時の分子記憶に従って

その形態を変化させます。

回転時にAフェーズの形状であることにより、

通常のファイルでは届かないところまで

到達し、清掃が可能になるというわけです。 

Aフェーズはフック形状になり、

その動いている様子は

まるで“蛇”のように私には見えました・・・

蛇のことを考えていたら、ふとあるものが

浮かんできたのです・・・

皆さん、「三国志」はご存知でしょうか?

三国志に登場する武将の中に、“張飛”という武将が

登場します。

 

tyouhi

 

張飛は、三国志の中でも万夫不当と言われている

武勇の高い武将です。

張飛は、“蛇矛(じゃぼう)”と言われる

武器を使います!

 

jyabou

 

根管内にも蛇矛のようなXP-endo ファイルが

入っていくのであれば、

根管内の残渣も一掃されることだろうと

考えてしまったわけです・・・(笑)

 

高い柔軟性と直径6mm(同サイズのファイルの

100倍の直径)拡張できる特性により

到達不可能だった根管の機械的清掃が可能になった

ことは、根管治療の成功率を上げることができる

画期的なファイルであると感じさせられました。

素晴らしい貴重な講演、ありがとうございました。

 

(2)MEETU KOHLI先生

「歯内療法におけるバイオセラミックス

 ーシーラーを主とした根管充填ー」 

 

MTAという材料があります。

MTAは歯内療法(根管治療)の臨床において

劇的な変化をもたらしています。

研究も広く行われており、臨床的また学術的にも

信頼を得ています。

私もMTAの使用頻度は多く、

臨床的に非常に助けられております。

しかし、根管充填には使用しづらい、

操作性が悪い、変色を起こす

傾向が欠点として考えられます。

最近では、新しく改良されたバイオセラミックスを

歯内療法領域に導入しており、

根管充填に重きをおいたバイオセラミックス、

“バイオセラミックシーラー”に関する

研究考察を教えていただきました。

 

通常の根管充填の場合、ガッタパーチャとシーラー(糊のようなもの)の間には、

ギャップが生じてしまいます。

つまり、封鎖がしっかりできなくなるため、細菌の漏洩を引き起こしてしまいます。

ハートフル歯科でも保険内で使用している

“酸化亜鉛ユージノールシーラー”も

体液や唾液にさらされると安定しない、

また吸収されてしまうという弱点があります。

ガッタパーチャとシーラーは、

More GP  Less Sealerと言われており、

ガッタパーチャを多く、

シーラーを最小限にするということであり、

シーラーが多くなると、通常のシーラーは

収縮するためにギャップが生じてしまうためです。

根管充填方法もスタンダードな側方加圧充填よりも

垂直加圧充填の方がシーラーを少なくする

ことができると言われております。 

 

 

BCS

 

バイオセラミックシーラーはシングルポイントの

ガッタパーチャが中央にあり、シーラーで

周りをsealing(封鎖)していく形をとります。

なぜ、このような形をとるかと言いますと、

バイオセラミックシーラーには

他のシーラーにはない唯一最大の特徴を

有しているからなのです。

硬化すると“膨張”するというメリットがあります。

膨張するためにギャップが生じにくくなると

いうことなのです。

 

ところで、バイオセラミックとは

一体どのようなものなのでしょうか?
生体機能を代行するセラミックスを言います。
生体適合材料の一種で,主に人工骨や人工関節、

歯、人工歯根などに用いられます。
人体に対する毒性がなく、生体組織によくなじみ、

しかも耐久性があることが求められます。

生体材料としての非金属無機材料を

バイオセラミックスと言います。
セラミックスは生体内においても

周囲組織に溶出せず、安定であるため、

生体組織との親和性がよいこと、
摩擦、摩耗に優れるという特徴があります。
生体内不活性型と活性型があります。

リン酸塩ガラスがバイオセラミックの

バイオガラスとして利用されているようです。
特に人工骨、人工の歯の永久歯根などに

使用が検討されています。
骨はリン酸カルシウムを主成分としていますから、

リン酸塩のガラスは親和性が良いと言えます。
強度の保証もできます。
何よりも他のセラミックと違いガラスは加熱変形が

可能で、加工に適していますから、

ガラスをバイオ関係に利用しようと研究が

進んでいます。

 

3つのタイプに分けられます。
①Bioinert(生体不活性)
アルミナ(Al2O3)、ジルコニア(ZrO2)、

チタニア(TiO2)などがあります。
②Bioresorbable(吸収性)
骨に置換される
③Bioactive(生体活性)←Endo
リン酸カルシウム(ハイドロキシアパタイト)

 

バイオセラミックシーラーは、一回硬化すると

安定します。
またMTAと同等、もしくはそれよりも良いと

言われています。

Biocompatibilty(生体適合性)の面においても

非常に優れているというわけです。

 

Fracture Resistance(破折抵抗性)においては、
BC coated GP VS Not
BC coated GP

←天然歯と同じくらいに回復したという

報告があるそうです。


そして、Leakage(漏洩)も少なく、Antimicrobial(抗菌性)、
Discoloration(非変色性)も備えています。
MTAは、造影作用として酸化ビスマスを

含んでいるため、暗い色に変色してしまいます。

そのため、審美的領域には使用しづらい

側面があります。

しかし、現在は変色に関して改良されている

MTAも出てきています。

また、操作性に関しても流動性があるために

側枝への充填も可能となっております。

 

Re-Treatabilty(再治療は可能であるかということ)

においては、再治療に関して充填材を

除去することを考えなくてはいけません。

バイオセラミックシーラーは、除去可能です。

MTAは除去困難と言えます・・・
但し、バイオセラミックシーラーは

封鎖性が高いため、

細菌感染のリスクは少ないため、

再治療のリスクも少ないのではないか

と仰られていました。
除去しやすいかを考える必要性も

少ないということです。

 

最後に実際の臨床例からFollow up 6 months を

見せていただきましたが、
有意に治癒しており、骨が誘導されるためか、

治癒も早い傾向にあるとのことでした。

 

ちなみにハートフル歯科でも自費治療において、

私はバイオセラミックシーラーを

使用しております。

ペンシルバニア大学における根管治療の

プロトコールに、バイオセラミックシーラーは

必須であるということでした。

 

歯科における材料の進歩、特に歯内療法における

材料の発展も近年目覚ましいものがあります。

しかし、大事なことは多くの情報が溢れている中で

一番患者利益が高いのは何であるかという目と耳を

持ち合わせて選択していく必要があると

言えるのではないでしょうか?

 

  Pe4

 

Pe5

 

最後に、ペンシルバニア大学

歯内療法科教授のSyngcuk Kim先生

エンド(根管治療)VSインプラントという

テーマについて仰られていました。

 

保存可能であったかもしれない歯牙が抜歯され

インプラントが埋入される時代において、

歯内療法由来の病変が根管治療のみによって

治癒が困難であると判断された場合、

外科的歯内療法が予知性の高い結果を

もたらすことは、文献上でも強く

支持が得られています。

エンドと比べて、インプラントにおける

Success、Survivalの定義が明確ではなく、

インプラントを乱用することは注意が必要です。

インプラントは万能薬ではなく、

やはり天然歯には勝てないのです・・・

私はインプラント治療が欠損部を

補うということにおいては

非常に素晴らしい治療であると考えています。

しかし、インプラント治療と根管治療あるいは

外科的歯内療法の意思決定について、

十分な議論が必要であるということを

改めて強く感じました。

 

今回のペンエンドグローバルシンポジウムに

参加させていただいて

最先端の知見、レベルの高い臨床に

ふれることができました。
非常に有意義な2日間でした。
明日からの日常における臨床に

生かしていけるように、

患者様に少しでも還元できるように

努めてまいりたいと思います。

 

“すべては患者様の笑顔のために”

今後ともよろしくお願い致します。

 

投稿者: 本山 直樹

2016.08.20更新

こんにちは。
三鷹市 ハートフル歯科医院、ハートフルデンタルクリニック、三鷹ハートフル小児歯科歯科医院、
三鷹ハートフル矯正歯科医院を含む、
ハートフル総合歯科医院グループ 
歯科医師 本山です。


今回は、「ラバーダム防湿下における

レントゲン撮影」について書きたいと

思います。

根管治療中においては、

必ずラバーダム防湿下にて処置を行います。

R3

 

治療中には根管の状態や根管の長さ、

また根尖病変の大きさなどを確認するために

必要に応じてレントゲン撮影を

行うことがあります。

 F1

 

その場合、根管の長さを確認する場合などは

通常であれば、ラバーダムを外さないと

レントゲンを撮影することは困難となります。

しかし、根管の長さを測定するためには

器具を挿入した状態で撮影するために、

根管を仮封して撮影することはできません。
つまり、唾液の浸入を許してしまう状況を

作り出してしまう結果となります。


ところが、ハートフル歯科には根管治療を行うのに

最適な設備を備えた“根管治療専用ルーム”がある

ことをご存知でしょうか?

e2

 

根管治療専用ルームには他にはない

最大の利点があります。
それは個室でのレントゲン撮影が

可能ということです。

R2

 

通常、レントゲン撮影を行う場合は、

レントゲン室に移動して撮影を行います。
繰り返しになりますが、根管治療中はラバーダム

防湿下にて処置を行います。
これは唾液の浸入による細菌感染を防ぐために

行われておりますが、通常の歯科医院の場合は

レントゲン室に移動して撮影を行うため、

ラバーダムを外して移動するか、

もしくはラバーダムをつけたまま

移動するにしても移動の手間があります。
しかし、ハートフル歯科の

根管治療専用ルームの場合は

個室でのレントゲン撮影が可能となっております。

そのため、煩わしい移動の手間や感染のリスクも

軽減することができると言えるでしょう。

 

“すべては患者様の笑顔のために”


今後ともよろしくお願い致します。

 

投稿者: 本山 直樹

2016.07.23更新

こんにちは。

三鷹市 ハートフル歯科医院、ハートフルデンタルクリニック、三鷹ハートフル小児歯科歯科医院、

三鷹ハートフル矯正歯科医院を含む、

ハートフル総合歯科医院グループ 

歯科医師 本山です。

 

今回は、「CTの有用性」について書きたいと

思います。

ハートフル歯科では、根管治療における診断ツールとしてCTを有効的に活用するようにしております。

歯科用CTの最大の特徴として、

“見落とされている根管”の発見があります。


こちらに一つ症例を挙げたいと思います。
患歯は上顎右側第一小臼歯です。


上顎第一小臼歯は通常、単根性のものと

頬側と舌側の二根に分かれた二根性のものがあると言われております。
臨床的によく遭遇するのは2根2根管性のものが

多いのではないかと思います。
但し、X線で根管の形態が分かりにくく、

かつ歯根幅径が歯冠幅径に近い場合には

3根の可能性が高いと言われております。


正直、私は見たことがありません…

 

この症例は根管治療を数回行うも、

根尖付近を押すと痛いという症状が

なかなか改善されない。

k5

どうにもX線で根管の形態が分かりにくい。

 

そこで見落としている3根管目があるのでは

ないかとCT撮影から画像診断を行ってみると、

なんと、やはり3根管目があるではないですか…

 

k1

 横断面像より、2根管あることが確認できます。

 

k2

3根管目の出現です!

 

 k4

根の先に病変があるのがはっきりと分かります。

 

このように見落とされた根管の発見により、

根尖病変の治癒の迅速化につながり

早期の症状改善へと進んでいくことでしょう。

ハートフル歯科では術前診断においてCTを

積極的に活用するように努めております。

 

“すべては患者様の笑顔のために”

 

今後ともよろしくお願い致します。 

 

投稿者: 本山 直樹

2016.05.19更新

こんにちは。

三鷹市 ハートフル歯科医院、ハートフルデンタルクリニック、三鷹ハートフル小児歯科歯科医院、

三鷹ハートフル矯正歯科医院を含む、

ハートフル総合歯科医院グループ 

歯科医師 本山です。

 

今回は、「根管洗浄」について書きたいと

思います。

根管治療において、

Bacterial reduction(細菌数の減少)のためには

必要なものが3つあります。
機械的拡大根管洗浄(化学的洗浄)根管貼薬

3つです!


これら3つに含まれる「根管洗浄」は、

なぜ重要なステップであると言えるのでしょうか?
これを説明するためには、根管治療の目的について

見直す必要があると言えます。
根管治療の目的とは、

「根尖性歯周炎の予防と治療」であります。
この目的のためには、徹底した無菌的処置と

細菌数の減少が求められます。
残念ながら機械的拡大・清掃だけで細菌数が

ゼロとなることはありません…
そこには複雑な根管系が存在するからです。
複雑な根管系に入り込んだ細菌を全て機械的に

除去することは非常に難しいと言われています。

従って確実な細菌数の減少のためには、

「根管洗浄=化学的洗浄」が

非常に重要なステップであるというわけです。
根管洗浄液には、抗菌作用組織溶解性

スメアー層除去能低細胞毒性などを

考慮して選択する必要があります。
ハートフル歯科では、現在Dr.Plusという

電解機能水を用いて、根管内の洗浄・消毒を

行っております。
歯周病治療などにおけるポケット内

イリゲーションにも大いに効果を

発揮しております。
当院での歯周病治療を受けた方は

ご存知かと思います。
電解機能水は短時間での殺菌作用ですが、

生体に対しての安全性が高いという

メリットがあります。
しかし、有機質存在下では殺菌効果が激減するので

注意が必要と言われております。
そのため、電解機能水の場合は十分な

機械的拡大により有機質除去を行い、

その後電解機能水を使用することが

望ましいと言えます!
私が学生時代に教わったのは、
「次亜塩素酸ナトリウムとオキシドールの洗浄」

でした。
この組み合わせの根管洗浄は、

グローバルの観点から文献などを考察すると、

すでにトレンドから外れたテクニックであると

言われております。
現在のゴールドスタンダードは、

次亜塩素酸ナトリウムEDTAとなっており、

私もこちらへの導入を考えております。
残念ながら根管洗浄は、根管治療の中でおそらく

最も軽視されている手順ではないでしょうか…
次亜塩素酸ナトリウムには、優れた有機質溶解能があります。
しかし、根尖歯周組織(根尖孔外)へ押し出すと、

重篤な炎症反応を惹起する

“ヒポクロアクシデント”というものが起こる

危険があります。
そのため、十分な取り扱いが必要となります。
EDTAには、スメアー層除去能があります。
電解機能水には、次亜塩素酸ナトリウムのような

危険性はありませんが、根管洗浄という観点から

両者を十分に比較検討すると、

「次亜塩素酸ナトリウムとEDTA」という

組み合わせの方が優れていると思われます。

今回は、抜去歯牙を用いた

「根管洗浄」の動画を作成しましたので、

詳しくはこちらをご覧下さい!

 

 “すべては患者様の笑顔のために”

今後ともよろしくお願い致します。 

 

投稿者: 本山 直樹

2016.05.14更新

こんにちは。

三鷹市 ハートフル歯科医院、ハートフルデンタルクリニック、三鷹ハートフル小児歯科歯科医院、

三鷹ハートフル矯正歯科医院を含む、

ハートフル総合歯科医院グループ 

歯科医師 本山です。

 

今回は、「根管充填材(ガッタパーチャ)の除去」

について書きたいと思います。

 

まず根管治療においては、

そのほとんどが再根管治療(retreatment)と

言えるのではないでしょうか?

再根管治療とは、過去に根管治療が行われた歯に

炎症が起きてしまい、根管治療のやり直しを

行うことを言います。

根管治療の場合、根管の機械的拡大・清掃・消毒を数回行い、最終的には根管にガッタパーチャという

オレンジピンクみたいなゴムを充填し、

根管の封鎖を行っていきます。
しかし、根の病気になると根管壁のその周りには

汚れて感染しているガッタパーチャと

感染物質がびっしりついていたりします。

これらの感染物質もマイクロスコープを

使用しないと除去が困難となります。
過去に充填されているガッタパーチャは

徹底的に除去するように努めております。

 

根管①

 

根管➁

 

根管③

 

根管➃

 

マイクロスコープを使用することで、

肉眼では確認できない根管内部を鮮明に

見ることができます。
精密な根管治療が実現することで、

抜歯を回避できる可能性が高くなると

言えるのではないでしょうか…

 

ハートフル歯科では、1本の歯を残すための

最大限の努力をさせていただいております!

 

“すべては患者様の笑顔のために”

 

今後ともよろしくお願い致します。

投稿者: 本山 直樹

2016.04.16更新

こんにちは。

三鷹市 ハートフル歯科医院、ハートフルデンタルクリニック、三鷹ハートフル小児歯科歯科医院、

三鷹ハートフル矯正歯科医院を含む、

ハートフル総合歯科医院グループ 

歯科医師 本山です。

 

今回は歯の土台、「ファイバーコア」について

書きたいと思います。


以前にも書きましたが、根管治療において土台や

被せ物という根の上部にあたる部分も細菌による

漏洩や破折という観点から非常に重要となって

おります。

まず、歯の土台=コアとは何でしょうか?

神経を取り除かれた歯というのは、

歯への栄養供給がなくなり、

新陳代謝が行われなくなるため

水分が抜けて乾燥し脆くなります。

そして、割れてしまいます…

 

歯根破折


コアというのは、歯の内部を埋めることで

割れにくくする補強材のようなものと言えます。

ファイバーコアは、グラスファイバーの芯と

強化プラスチックによって作られる歯の土台です。

 

ファイバーコア・破折歯

      ↑ 

  接着治療を行い、ファイバーコアを

  築造したところです!


ファイバーコアの特徴としては、
1.弾性率が象牙質と近似しています。
 つまり、歯のたわみに応じて屈曲しながら応力を

 分散するため、応力集中が起こりにくい。

 歯への負担が大幅に軽減されるため、

 金属製の土台(メタルコア)に比べて、

 歯根破折を引き起こしにくいため

 歯に優しい土台と言えます。

2.オールセラミックと併用することにより

 メタルフリーの治療が可能となり、

 金属アレルギーを起こさず、

 白色・半透明であるために透過性に優れ、

 セラミックによる審美補綴において

 審美性を妨げないということになります。

3.メタルコアと違い金属イオンの流出がないため、

 歯肉が黒く変色することもありません


保険診療で行われる歯の土台には、

主に銀合金が使われます。

銀合金は金属イオンの流出により浸透し

黒くなったり、歯よりも硬い金属は

根と接続する部分に楔の役割を起こしてしまい、

そして歯がその力に負けてしまい

歯が割れやすくなったりします。
歯が割れてしまうと、その歯は保存不可能な

状態となり抜歯をしないといけなくなります。

精密な根管治療を行い残すことができた歯も

割れてしまうと残せなくなってしまいます。

 

これらのことから歯を守るために

ハートフル歯科ではファイバーコアを

オススメしています!

ハートフル歯科も開業から10年が経過しましたが、

多くの患者様が来院され治療を行っていく中で、

ファイバーコアを入れた歯に関しては

現在のところ破折を起こしている歯は

ほとんどありません。

 

“すべては患者様の笑顔のために”

 

今後ともよろしくお願い致します。

 

投稿者: 本山 直樹

2016.02.11更新

こんにちは。

東京都三鷹市ハートフル歯科の本山です。

"関東歯内療法学会 第15回学術大会・総会"

参加してきました!
会場は立ち見の方が出るぐらいの大勢の人と熱気で
溢れかえっておりました・・・

   

   

今回の学会のテーマは、「MTAをよく知ろう!」

ということで私も日々の臨床の中でMTAを

使用することが多々あります。

   

そのため、日本のMTA臨床応用のフロントランナーとして高名な臨床家の先生方のお話を楽しみに

学会へ参加してきました。

MTAに関しては過去のブログでも

数回ふれていますので、詳細は過去のブログを

ご参照いただければと思います。

MTAの臨床応用へは現在幅広くされています。
断髄根管充填パーフォレーションリペア

逆根管充填などその使用方法は多岐に渡っており、

また多くの論文でその所用性質や臨床結果が高く

評価されていることで、現在の根管治療において

今や必要不可欠な材料と言えるでしょう。

今回の学会講演の中で

私が一番興味を惹かれたのは、
兵庫県ご開業の高田先生の講演内容でした。
テーマは、

「攻めの直接覆髄with BioMTAセメント」
MTAセメントの優れた性能により、

抜髄症例が劇的に減ったとのことでした。
"VPT"のお話です!
VPTの詳細は、過去のブログをご参照下さい。
現在、MTAには多くの類似するものが

発売されています。
そんな中、MTAには変色という欠点が

あったために、審美領域に用いることが躊躇されていた経緯があります。

高田先生は"直接覆髄"というケースにおいての
ベストなMTAセメントはどれがいいのかということについて数あるMTAセメントの中からの

選択基準について講演して下さいました。
4つのキーワードを元に選択していきます。
「短い硬化時間」 

「Wash out(流れる)しないもの」「変色」

「不純物であるヘビーメタルができるだけ

 入っていないもの」


その結果、RetroMTA(日本名BioMTAセメント)
有効的であるということが分かりました。
大変興味深い講演内容でした。
私自身、そこまで深く考えていなかったことを反省するとともに、とても勉強になりました。

最後にもう一つテーブルクリニックにおいて、
東京都世田谷区ご開業の金丸先生のお話も
とても興味深かったです。
テーマは、
「エンドと咬合のかかわり

 -1本の歯の長期保存を考えて-」
歯髄炎を含む根管治療の必要な歯は、単に細菌感染由来だけではなく咬合が原因で根管治療が

必要になってくる歯がかなりの確率で

存在しているということなのです。

井上先生のブログ、"マイクロマスターへの道"の中でもマイクロクラックの話がありますので

是非ご一読してみて下さい!
金丸先生は、
「患歯がどのような過程を経て

 虫歯になったのか?」
「なぜ、歯髄炎になったのか?」といったような

その歯の歴史を考える必要があり、そのためには

患歯だけではなく口腔内全体を
診る必要があるということを仰ってしました。
根管治療の失敗はそのまま補綴処置(被せ物)の

失敗を意味し、またその逆に補綴処置後の不適切な

咬合関係は同様に再び根管治療の失敗を

引き起こすことにもなりかねない
ということになります。
歯が長期間機能していくためには、

適切な根管治療と的確な咬合関係の構築が

当然必要なのであるということでした。

今回の学会で発表されていた先生方の講演は

どれも素晴らしく、明日からの臨床に

大いに参考になるものばかりでした。
私も明日からまた頑張っていきたいと思います!

"すべては患者様の笑顔のために"

今後ともよろしくお願い致します。

投稿者: 本山 直樹

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