本山先生エンドマスターへの道

2014.02.23更新

こんにちは。

東京都三鷹市ハートフル歯科の本山です。

藤本研修会エンドコース第5回を
受講してきました。

今回の2日間は、前回、前々回に行われた
実習形式ではなく、講義でした。

講義内容は、破折ファイル・穿孔リペア(MTA)、
歯髄の石灰化・外科的歯内療法・根未完成歯に
ついてでした。

全て非常に内容の濃い講義ばかりでしたが、
その中でも私が特に興味深かった、
"歯髄の石灰化"について
今回は書きたいと思います。


歯髄の石灰化は、
歯髄結石と根管の閉塞という形で現れます。

いくつかの文献データによると、
レントゲン的には、3.8%~26%ぐらいの頻度で
石灰化が認められたのですが、
病理学的にはその2~3倍以上の石灰化が
認められたそうです。

石灰化の素因としては、
加齢変化、摩耗、むし歯、医原性、外傷、歯周病、
矯正、全身疾患などがあります。


ここからは、臨床的なお話です。

歯髄の石灰化は、
歯髄結石と根管の閉塞という形で現れる
と書きましたが、今回は"根管の閉塞"について
焦点をあてながら、
実際の症例も交えてお話したいと思います。

<症例④>
30代 女性
主訴:歯肉が腫れている。
他院で、根管が見つからないと言われた。





レントゲン像を見てみると、
左下第一大臼歯の近心根と遠心根の根尖に
病変があるのが分かります。

両根とも途中から根管が全く見えない
状態なのが分かります。


下のレントゲン画像は、CTによる歯冠部から

歯根側、根尖に向かって輪切りにしている
レントゲン像です。


これは、歯根の上部です。
3つの黒い点があるのが確認できます。
3根管あるということです。
          ↓




歯根の1/3付近です。
先ほどまで確認できた3つの黒い点が
見えなくなっているのが確認できます。
石灰化して、根管の閉塞が起きているのが
分かります。
          ↓




果たして、レントゲンで見えないような根管で
穿通できないような場合、
この病気は中にいる細菌によって
起こっているものなので、
穿通しない限り治らないと考えませんか?

実は、そのようなことはありません。

穿通できなくても、病変は治る可能性があります。

逆に意地でも穿通させようとした結果、
パーフォレーション(穿孔)が起きる可能性があり、
そしてさらに病気を悪化させるなんてことも
十分考えられるのです。

結論としては、開いている根管のところまで
根管の清掃を行うことで、
細菌叢、つまり環境を変えることによって病原性を
発揮できない環境に変えてあげれば治るわけです。

どんな細菌でも、
いれば病気をつくるというわけでは
ありません。

病気をつくるための細菌の種類とか
細菌叢があるわけなので、
環境を変えて壊してあげれば良いというわけです。


ではどの程度、治るのでしょうか?

スウェーデンのある大学の論文に

このようなデータがあります。

10年間で治療された症例の中から
根管閉塞と判断された
51人64根管をみた。

根管閉塞の定義

①歯根長の1/3以上穿通されていない。

②根尖部から根管形成された部位までは、
    X線学的に根管が見えない。

この研究では、これらを閉塞症例と定義づけた。

そして根管治療を行った結果の
成功・失敗については、
成功率は97%であった。

穿通できなくても、この成功率であった。

この結果は、当然の結果であると言えるでしょう。

なぜならば、このグループは元々病変のない
ものであったからです。

改めて感染させなければ、
引き続き成功するわけです。

問題なのは、病変があったグループですが、
病変があったグループとしては、62.5%が治った。

つまり、病変があっても穿通できなくても
これだけの成功率があった。

余計なことはしないで、
将来の垂直性歯根破折のリスクを
上げたりすることがないように
努めるべきなのです。

論文の考察の結果としては、

「術前に根尖部透過像があり、
なおかつネゴシエーション(穿通)ができない症例
でさえも6割の確率で治癒する可能性が
あるならば、可及的な根管形成と
洗浄を行った後に経過観察を行うことは
正当化されるであろう。

そして、明らかに予後不良と判断された場合には、
外科的なアプローチを行うべきである。

後ろ向きの研究で、サンプル数も十分とは
言えないが、
我々の臨床に示唆を与えるものである。」

というものでした。

石灰化ということで、解決できない問題が
潜んでいるということは
思わなくて良いと言えるわけです。

できる範囲でベストを尽くす!

当然、基本コンセプトは遵守します。

それだけでも治るし、治らなければ違う方法で
解決をしてあげれば良いということなのです。


今回の講義内容を聞いて、
自分の中で悩んでいたことが一つ解決できた
ような気がします。

"すべては患者様の笑顔のために"

今後とも、よろしくお願い致します。

投稿者: 本山 直樹

2014.02.20更新

こんにちは。

東京都三鷹市ハートフル歯科の本山です。

皆さん、歯科医院で治療について
説明を受けることがあると思いますが、
実際に自分がどのような治療を受けているのか、
気になるところであると思います。

今回は、根管治療における実際の診療風景について
ふれてみたいと思います。

これは、下田先生が根管充填を行う前の
術前の写真です。

   

ハートフル歯科では、根管充填を行う前には、
必ずマイクロスコープで根管内を確認してから
行います。

マイクロスコープの場合、肉眼で見るよりも
拡大倍率で見ることができますので、
より根管内の見落としを防ぐことができます。


次は、ペーパーポイントによる根管内の乾燥です。
根管充填を行う時は、根管内をよく乾燥させます。
              ↓
   


そして、根管内に挿入する
メインポイントの確認です。
             ↓
   


2つの根管に、メインポイント挿入した後です。
             ↓
   


根管口部で、メインポイントを焼き切ります。
              ↓
   


焼き切った後です。
きれいに焼き切れているのが、
ミラー越しに分かります。
           ↓
   


プラガーで加圧し、押し込んでいるところです。
           ↓
   
 


シーラーという糊のようなものを光照射で

固めます。
光照射で短時間で硬化する
新しいタイプのシーラーです。
           ↓
   


根管充填後です。しっかりと根管充填されています
           ↓
   


最後に仮封を行い、根管充填終了です。
            ↓
   


何となく、実際の診療風景が
分かりましたでしょうか?

お気づきかと思いますが、
必ずラバーダムによる防湿を
行っているのがお分かりかと思います。

ハートフル歯科では、
根管治療において基本コンセプトを遵守し、
細菌を根管内に持ち込まないように、
再治療にならないように努めています。


「この根管治療で最後になるように!!」


いつもそんな想いでドクター全員頑張っています!

"すべては患者様の笑顔のために"

今後とも、よろしくお願い致します。

   

投稿者: 本山 直樹

2014.02.15更新

こんにちは。

東京都三鷹市ハートフル歯科の本山です。

今回は、根管治療で使用するファイルという
器具について書きたいと思います。

主に上下の手動操作による
根管の拡大・形成に使用します。

ここに、2枚の写真があります。
 

左側の写真は、正常なファイルです。

右側の写真は、ファイルの先端付近が
延びきってしまった写真です。

根管治療に使用するファイルは、
針のようなまっすぐな形をしています。

しかし、歯根のほとんどは曲がっています。

  
そこに、この延びきってしまったファイルを
使用し続けると、どうなるでしょうか?

当然、曲がっている根管に対して、
無理な力がかかり酷使し続ければ、
答えは簡単です。

根管内で、"折れます!"


   

但し、正常なファイルを使用していても、
曲がっている角度がきつく
根管内が狭窄しているような時には、
場合によっては折れてしまうことも
あるかもしれません。

大事なことは、使用する器具の物性や曲がっている
根管に対してのアプローチの仕方、
さらには、破折ファイルを除去できるテクニック、
リカバリーできるスキルを備えているかどうか
ということではないでしょうか。

基本的に、歯科治療で使用する器具は
滅菌されています。

もし、根管内でファイルが破折したとしても、
ハートフル歯科では根管治療時は
必ずラバーダムを使用していますので、
ファイル自体が感染源になることは
少ないと言えるでしょう。

その前に、
延びきってしまっているようなファイルは、
ハートフル歯科では使用しません。

必ず、交換するようにしています!

ハートフル歯科では、
日々の臨床に関して
歯科医師同士ミーティングを通じて、
必ず共有し、全てのドクターが指導を
受けております。

"すべては患者様の笑顔のために"

今後とも、よろしくお願い致します。

投稿者: 本山 直樹