未来型歯科医院

未来型歯科医院への思い

はじめに

私が子供だった頃、昭和40~50年代は、「むし歯の洪水」の時代と呼ばれていました。当時の歯科治療は急患対応が中心で、現在のような予約診療よりも、先着順に次から次へと除痛処置を行っていくことが多かったと思われます。当時は、むし歯治療中心。数をこなさなければならない時代。痛ければ抜歯などが、当たり前の時代だったそうです。今では、小学校6年生のむし歯経験歯数は、1.0本を切りました。むし歯予防は、ある程度確立されてきています。80歳で20本の歯を残そうという、8020運動も2018年80歳の高齢者の50%が達成したそうです。むし歯や歯周病で歯を失う高齢者も昔と比較して圧倒的に減りました。

それが、現状です。

そんな中、私たちが行なっていく、歯科治療、歯科医院の形について考えていきたいと思います。

疾病予防を、定期管理型に行なっていく診療スタイルは、基本になっていると思います。「予約診療制度」が当然です。忙しい現代社会において予約時間通りに治療が受けられるのが当然となっています。

衛生意識が高まった現在では、「使い捨ての紙コップ」「患者さんごとにグローブ(医療用のゴム手袋)を使い捨てにする」「タービン滅菌」は当然。

「患者さんに納得してもらえるよう、治療の説明をする」なども求められています。

歯科医院に久しぶりに通われると、「以前とは変わったなぁ」と感じられた経験があることと思います。先生が優しくなったなどと感じられるかもしれません。治療器具や内容についても大きく変わりました。

IT化が進んで何台ものパソコンが並び、治療内容の説明やレントゲン、口腔内写真などはパソコンの画面に映し出され、細かな所まで見せられるようになりました。また、インプラント治療が一般的になり、入れ歯やブリッジに対する見方が大きく変わりました。開業時(15年前)は、インプラントって何?という説明をよくしていましたが、今は、他院に出来ない技術力などより具体的な内容を説明しています。

・マイクロスコープは歯の根っこの治療を大きく変え、拡大して細部まで見ることにより診療成績を大きく前進させています。
・CT診断では、立体的な頭蓋骨を見せられしっかり説明をしてくれるようになりました。
・CAD/CAMにより、白く丈夫なセラミックの歯が早く、安くできるようになりました。

ここもだいぶん変わりました。

・唾液検査キット(むし歯になりやすさを調べられる)
・位相差顕微鏡(歯周病菌の存在を確認できる)
・ガスクロマトグラフィー(口臭や歯周病の活動性を調べられる)

と、診断器具も増え、充実してきています。

「診断が治療を変える」という言葉の意味を噛みしめています。高価な治療器具なしでは、高度な歯科治療は、受けられない。と言い切れるようになってきました。歯科医師の腕って、以前よりも施設の設備レベルに比例しています。ある意味治療技術が、可視化されたように感じています。また、以前に比べると遙かに高い医療水準が存在するようになり、多くの患者さんが、それを歯科医院に求めているように感じます。

現代社会においては、インターネット検索をする事で、患者さんは全国の歯科医院情報を得られます。これにより、現在通院している歯科医院の医療水準を、他の歯科医院といつでも簡単に比較できるようになりました。

しかし、技術・機材・診療体制などの面において以前のままとなっている歯科医院も、残念ながらまだまだ存在します。未来型の診療室は、高度な診療器具があり、その最新機材を定期的にアップデートされています。それは、従来の「治療の腕」とは、関係のない、歯科医院を経営する力がなければ維持出来ないという所も変わってきています。
未来型の歯科医院では、「より良い医療を患者さんに提供しよう」と凌ぎを削り、治療だけでなく、経営までも研鑽を積んでいます。

この「医療水準」という言葉、具体的には何を指すのでしょうか。

私は、医療水準を①治療技術②最新設備(ハード)③医療サービス(スタッフ応対)
3つのカテゴリーに分けて考えるようにしています。
今では上記の3つのカテゴリーの総合点で患者さんに評価されます。
歯科医師が腕に自信があっても、最新の設備がなかったり、話し方、サービス(応対)が横柄だったりすれば、もう患者さんは来てはくれないのです。

1.治療技術ってどうやって見分けるの?

医療法の広告規制で、美容系のサイトは、術前、術後だけを羅列することができなくなりました。しかし、治療技術がしっかりしている歯科医院は、規制を理解しながらしっかり情報発信しています。探してみてください。

治療技術という意味では、専門性が分かりやすく治療メニューが明確なものもあります。A歯科医院の看板に「一般歯科」とだけ書かれていれば「一般歯科しか診てもらえないのかぁ、じゃあ矯正はや出来ないかな」と思ってしまうでしょう。しかし、矯正歯科と標榜すれば矯正を専門的に治療してくれるんだと考えてもらえるでしょう。
歯科医院に標榜できる診療科目は、「一般歯科、口腔外科、小児歯科、矯正歯科」の4科のみと医療法によって定められています。

そこで、ハートフル総合歯科グループは、一般歯科・口腔外科の南北歯科医院 (三鷹駅の南北に位置します)、小児歯科医院、矯正歯科医院と分かりやすく4つの歯科医院を開設しています。

2.最新設備って

待合の椅子や雰囲気、キッズスペース、トイレの快適さ、使い捨ての紙コップやエプロン衛生管理、タービン滅菌、CAD/CAM.CT・レントゲンなどのデジタル診断機器、カウンセリングルーム・オペ室などの専用室、マイクロスコープ、駐車場の有無などは、患者さんから見て「分かりやすい」かと思います。ネットで検索すると、その歯科医院から最新設備の詳細が出ている時代です。HPの中をのぞいてみましょう。

3.医療サービス(スタッフ応対)

人(医療サービス)はどうでしょうか。一番分かりやすいのは、人数と笑顔です。活気があり、スタッフがイキイキ働いている歯科医院が良いと思います。食事をしにお店に入ったとき、雰囲気が暗かったり、スタッフが少なかったり、声をかけてもらえなかったりしたら、皆さんどう思われるでしょうか? 不安になりますよね。 「ここはスタッフがたくさんいるねぇ」「ここのスタッフは明るいね!」という言葉は、「安心できるね」「通いやすいわよ!」という患者さんの気持ちの表れではないでしょうか。 「不安が不満を呼び、不信を生む。」という言葉があります。 ただでさえ「行きたくないなぁ」と思いながら勇気を持って来院している患者さんにとって、唯一の味方がスタッフなのです。ユニット(診療室)で一人ぼっちでは、不安になって当然です。 スタッフ応対は、通ってみないと分かりにくい部分もあります。 しかし、受付に予約の電話をすれば、電話対応でスタッフ応対の一面が感じられるはずです。 自分の大切な歯の健康をゆだねる歯科医院です。 皆さんが通っている歯科医院についても、考えてみてください。

ハートフル総合歯科グループは、未来型の歯科医院を目指して、
患者さんの声に耳を傾けて、改善、努力をしています。

下田孝義